マンションを介護・バリアフリーリフォームするポイントは?施工事例も
こんにちは!札幌のマンションリフォーム専門会社「アイ・ホーム北海道」です。
今は快適に暮らしているマンションでも、身体機能が衰える老後も同じように快適に過ごせるとは限りません。
介護・バリアフリーリフォームは時間も費用もかかるものなので、ぜひ元気なうちにご検討を!
今回はマンションでの介護・バリアフリーリフォームについて解説。
マンションのバリアフリーリフォームを考える際のポイントや、改修の必要性が高い場所・内容などをご紹介します。
アイ・ホーム北海道で行った、マンションの介護・バリアフリーリフォームの事例もご紹介しますね。
マンションを介護・バリアフリーリフォームする際のポイント
マンションの介護・バリアフリーリフォームで大切なのは、介護者が快適に暮らせるのはもちろん、介護者を助ける「介助者」にとっても介助しやすい工夫をすることです。
たとえばトイレの介護・バリアフリーリフォームをする場合は、介護者本人が使いやすいように個室を広くしたり、便座の高さを変更したり、手すりを取り付けたりすることは、すぐに想像できると思います。
それに加えて介助者のことを考えるなら、介助者が一緒にトイレに入ることまで考えた広さにする、掃除のしやすい広さ・床材・構造にすることも必要です。
介助しやすい家づくりは、介助者の負担を減らすだけでなく、介護者本人の負担を減らすことにもつながります。
また、介護で必要となる設備、内容、条件などは家庭によってそれぞれ。
介護者本人ができること・できないこと、介助者ができること・できないこと、体格などに合わせて個別にリフォームプランを考える必要があります。
さらに、リフォームプランを考える際には「今」だけでなく「将来」も見据えて考えてみましょう。
大がかりなリフォームは時間も費用もかかるので、何度も行うのは大変です。
将来の暮らしを想像しながら、介護・バリアフリーリフォームが必要な場所・内容を考えてみてくださいね。
たとえば「廊下には手すりを付けるだけでいいのか?」「車いすも見据えて廊下の幅を広げておこうか?」など。
ちなみに、車いすの平均的な横幅は60~70cmほどです。
車いすの利用を想定するなら、廊下の幅が85cm以上あると、手すりを設置しても車いすが通りやすいということを知っておきましょう。
車いすは直角に曲がることが難しいため、廊下に曲がり角がある場合は、廊下の幅が90cm以上あれば直角の曲がり角もスムーズに曲がれます。
ただし、マンションの場合は構造によってできないリフォームがあることにもご注意を。
抜くことのできない壁があって部屋や廊下を拡張できなかったり、トイレなどの水回りを移動できなかったりするケースがあります。
マンションの介護・バリアフリーリフォームで改修すべき場所は?
マンションで介護・バリアフリーリフォームを検討すべき場所は、主に以下の5ヵ所です。
それぞれどんな改修が必要か紹介します。
トイレ
トイレは1日に何度も行く場所なので、リフォームの必要性が高いです。
座ったり立ったりがしやすいような工夫、もし車いす生活になった場合も使いやすいサイズなどを考える必要があります。
- 和式便器を洋式便器に変更する
- 手すりの設置
- 出入口の段差の解消
- 出入口を広げる、引き戸にする
- 室内スペースを大きくする
- 暖房設備や洗浄機能のある温水洗浄便座に変更する
- 便座の高さを変更する
狭いトイレをリフォームしたい方は「マンションの狭いトイレをリフォーム!チェックポイントと費用は?」もご参考ください。
浴室
浴室は滑って転ぶ転倒事故だけでなく、不慮の事故が起こりやすい場所です。
浴室の事故の原因として、急激な温度変化で血圧や血流の変動が起こる健康被害「ヒートショック」の危険性があります。
安全を守るためにも、早めに浴室のリフォームを検討することがおすすめです。
入浴の介助を行う場合は、広いスペースが必要になるでしょう。
- (在来工法の浴室の場合)ユニットバスへ変更する
- 浴槽の近く、出入口などに手すりの設置
- 脱衣所と洗い場の間、浴室の入口の段差の解消
- 出入口を広げる、折れ戸にする
- 浴室や洗い場を大きくする
- 浴槽をまたぎやすい高さに変更する
- 滑りにくい床材に変更する
- 温度差を減らすために浴室暖房を設置する
浴室のリフォームについては下記のコラムでも詳しく説明しています。
あわせてご覧ください。
玄関
玄関周りは段差が多いため、転倒事故の起こりやすい場所です。
段差を解消するリフォームを行うことで、事故を未然に防ぎましょう。
工事が必要なリフォームをせずとも、補助台や踏み台を置くことで段差が解消する場合も。
車いすを利用する場合は、段差を解消するリフォームとしてスロープの設置や電動昇降機、電動リフトなどの設置が望ましいケースもあります。
- 手すりの設置
- 補助台や踏み台などで段差の解消
- ドアノブをレバーハンドルやバーハンドルなど開けやすいものに変更
- (車いすを利用する場合)スロープ、電動昇降機、電動リフトの設置
リビング・廊下
リビングや廊下にも段差がないかよく確認しましょう。
段差があると、つまずいて転倒してしまう恐れがあります。
段差を解消するだけでなく、必要に応じて手すりを設置するなどのリフォームを行い、安全に快適に過ごせる場所にしましょう。
- 手すりの設置
- 段差の解消
- 廊下幅やドアの間口を広げる
階段
階段の場合も、手すりを設置するリフォームがおすすめです。
階段の勾配が急になっている場合は、勾配を緩和するリフォームもありますよ。
階段での昇降が困難な場合は、階段昇降機やホームエレベーターを設置することを検討してみても良いかもしれません。
- 手すりの設置
- 階段の勾配を緩和する
- 階段昇降機やホームエレベーターの設置
介護・バリアフリーリフォームの費用は、改修箇所や内容によって異なります。
手すりを付けるだけなら数万円から可能ですし、マンションを全面的に介護・バリアフリーリフォームするなら500万円以上はかかるでしょう。
改修内容や広さ、仕様などによっても費用の目安は変動しますので、リフォーム会社としっかりと打ち合わせをして見積もりを出してもらいましょう。
介護・バリアフリーリフォームでは補助金制度なども活用を!
介護・バリアフリーリフォームは大きな費用がかかるものですが、一定条件を満たす場合に補助金や減税の対象になる場合もありますよ。
次のような制度をぜひ上手に活用しましょう!
介護保険による補助金
40歳以上の方が加入する公的保険制度「介護保険」から、一定の介護・バリアフリーリフォームに対して、補助金を受け取れます。
介護保険で要支援・要介護認定を受けた方が対象で、改修費の9割(上限18万円)が償還されます。
以下の住宅改修リフォームが対象です。
- 手すりの取り付け
- 段差の解消
- 滑りにくい床材への変更
- 引き戸などへの扉の取り替え
- 和式便器から洋式便器への変更など
バリアフリー改修に係る所得税額の特別控除(住宅特定改修特別税額控除)
一定のバリアフリー改修工事を行った場合、その年の所得税額から一定金額を控除します。
控除額は、標準的なバリアフリー改修工事の費用の額(最大で200万円)の10%で、控除額のうち100円未満の端数金額は切り捨てです。
※確定申告が必要となります。
適用を受けるためには、50歳以上で、介護保険で要支援・要介護認定を受けていること、補助金分を引いて50万円以上の改修であることなどの条件があります。
介護保険の補助金と併用も可能です。
以下のリフォームが対象です。
- 通路などの幅を拡張する
- 階段の勾配の緩和
- 浴室、トイレの改良
- 手すりの取り付け
- 段差の解消
- 出入口の戸の改良
- 滑りにくい床材への変更など
自治体ごとの補助金
介護保険とは別に、自治体独自で介護・バリアフリーリフォームに対して補助金制度を実施している場合があります。
たとえば札幌市では「札幌市住宅エコリフォーム補助制度」を実施。※令和3年度(2021年)分は受付終了
札幌市民が、札幌市内に主たる営業所がある業者で一定のバリアフリーリフォームを行った場合に、改修費の一部を補助。
補助金額の上限は、総工事費の10%または一戸50万円(複数戸の場合は100万円)のいずれか少ない額を限度としています。
お住まいの自治体のホームページなどで確認してみましょう。
アイ・ホーム北海道のマンションのバリアフリーリフォーム施工事例
アイ・ホーム北海道で施工した、マンションのバリアフリーリフォームの事例をご紹介します。
リビング・寝室の両方からトイレにアクセスできるバリアフリーの家に
築40年のマンションを、将来的に車いす生活になっても安心して暮らせる住まいにリフォーム。
できる限り段差をなくし、車いすでも通れるよう廊下幅やドアの間口、トイレのスペースなどを広げて使いやすい空間に仕上げました。
納戸を部屋の中心に配置して回遊動線を作ることで、寝室側・リビング側の両方からトイレへのアクセスが可能になりました。
- 工事内容:間取り変更、キッチン・ユニットバス・トイレ・洗面化粧台交換、和室改修、建具交換、玄関収納、全室内装など
- 工事期間:29日間
- 費用:500万円台
【LDK】和室を解体し、一間の広いリビングダイニングに。キッチンまで光が届くようになりました。
【トイレ】90度向き変え、ドアを引き戸に交換。車椅子でも入れる広い空間を確保しました。
【洗面台】イスを置いたり車いすでも使えるよう、足元が開いている洗面台に変更。
【廊下】玄関からリビングドアまで、手すりも兼ねる収納を設置。
【通路】寝室へ続く通路は可動性の収納棚を造作。棚は手すりの代わりとしても使え、取り外せば通路を広げることもできます。
まとめ
●マンションでの介護・バリアフリーリフォームは、介護される方が快適に暮らせるのはもちろん、介助者が介助しやすい工夫が大切です。
介助者の負担を減らすことは、介護者の快適な生活につながります。
「今」だけでなく将来的なことも想像しながら、必要な介護・バリアフリーリフォームを考えてみましょう。
●マンションの介護・バリアフリーリフォームで改修が必要になるのは主にトイレ、浴室、玄関、リビング・廊下、階段などです。
よく使う場所ほど使い勝手を良くしておきたいですよね。
手すりの設置や段差の解消、車いすが入れる幅・広さに拡張することなどを検討しましょう。
●改修箇所や内容によって異なりますが、大がかりな介護・バリアフリーリフォームの場合には100万円単位で費用がかかることもあります。
介護保険や自治体による補助金制度、所得税の減税制度などを上手に活用しましょう。
併用して利用できるものもあるので、ぜひチェックしてみてくださいね。
アイ・ホーム北海道はマンションリフォームのプロフェッショナル!
住まいのお悩みを解決するリフォームをご提案しています。
マンションリフォームの施工事例もぜひご参考ください!